「教科書の理論など、ビジネスの現場では役に立たない」と考える人が多い中、星野リゾートの星野社長は、
「教科書通りで上手くいかないとしたら、それは理解が不十分で、理論をつまみ食いしているからだ」と断言しています。
軽井沢の老舗温泉旅館から、たった10年で、全国でリゾート施設を運営する企業へと成長した星野リゾート。
さらに、近年では、日本各地の旅館・ホテルの再生を請け負い、高級旅館「星のや」を展開しています。
その成長の背景には、星野社長が実践した「教科書通りの経営」があります。
星野社長は、経営の課題に直面すると、その解決に役立つ本を探し、理論通りに実践します。
従って、星野社長の事業展開は、すべて経営学の理論に裏打ちされています。
これは、潰れかけたUSJをたった数年でV字回復させた、P&G出身の森岡毅氏も、同じようなことを述べています。
森岡氏も、数字を使い、テクニカルなマーケティング手法を駆使して、戦略を立案するプロですが、
星野社長と同様に、常識破りに見える戦略の裏には、マーケティングの「教科書」が存在します。
ビジネス書の古典・名著に書かれている通りに実践するメリットは、3つあります。
①根拠となる理論があれば、経営の判断軸がブレない
古典・名著の多くは、数多くの企業を調査し、そこから法則を見つけ出し、理論として体系化しています。
つまり、そこに書かれたある理論は、将棋でいう「定石」に当たります。
何も知らないで経営するのと、定石通りに経営するのでは、経営判断の正解率に大きな差が出ます。
それは、短期的な結果はともかく、会社の長期的な業績に、大きな影響を与えます。
自分の経営判断に根拠があれば、迷わずに済みます。
すぐに結果が出ない場合でも、「目先の改善策に走って、方向を見失う」という大きなミスを犯しません。
②大きな経営判断も、勇気を持って決断できる
現状を打破するには、大きな方向転換が必要な場面があります。そんな時、理論的な根拠がないと、
「間違っていたらどうしよう」と、自分の判断に自信が持てず、決断が先延ばしになってしまいます。
しかし、教科書通りに行動すれば、リスクを計算した上で、最善策を打つことができます。
③中小企業の経営にこそ役立つ
中小企業は、大企業に比べて体力がありません。そのため、1つの判断ミスが致命傷になることもあります。
そうしたリスクを最小にするには、教科書に書いてあることを忠実に実行するのが、1番の特効薬です。
自分の判断が信じられない時は、「つまみ食いせず、100%教科書通りにやってみる」ことをオススメします。
小倉昌男 経営学 小倉昌男著
起業したいなら、最高の教科書といえる。
MBAで学ぶ人材管理、マーケティング、財務、論理力が、そのまま自伝になっている。ヤマト運輸の創業から大企業になるまでの物語になっているので、ビジネスの全体像が分かる。この本を読んでから他の戦略本を読むと、「この原理は、ヤマト運輸のこの部分を理論化したものだな」と気づかされる。その意味では、最初に読むべき本といえる。
「学問として経営を学ぶ」ことと、「経験的に学ぶ」ことが1つに繋がる名著。「なぜ経営を勉強しなければならないのか」の意味が、腹に落ちる。小倉氏の情熱が伝わる一方、経営者に必要な能力は「自分で考える力」であり、そのための武器は「論理思考」だということがよく分かる。
勝てば官軍 藤田田著
あなたが「何かを始めたい」と思ったとき、必ず読んでほしい一冊。
ビジネスのモノの見方や、想いを形にするまでの泥臭い方法論が書かれている。ソフトバンクの孫さんが若い頃、この本を読んで、「何としてもこの人に会いたい」と思い、直接会いに行ったのは有名な話。時流の押さえ方やマネジメントの仕方など、多方面にわたり経営の原理原則が示されているが、特に感銘を受けたのは、藤田氏の長期的なモノの見方。
「ビジネスに満塁ホームランはない」「ものを捨てることを考えよ」「金にキレイ汚いはない」等、非常に参考になる考え方がギッシリ詰まっている。
アメーバ経営 稲盛和夫著
高収益を上げ、発展を続ける京セラ。その経営を支えるのは、稲盛氏が生み出した「アメーバ経営」である。
組織をアメーバと呼ばれる独立採算性の小集団に分け、それぞれのリーダーに経営を任せて、全員参加経営を実現する。
この独創的な管理手法について詳述してあるが、組織の生産性を上げるためのヒントが満載で、思わずうならされる。
組織の仕組みを考えている人は、必ず読んでおきたい名著。
坂の上の雲 司馬遼太郎著
日露戦争時に、わずかな可能性に賭けた日本軍の参謀たちの人生が描かれている。
経営の課題は、「どう行うか」より、「何を行うか」の方が難しい。
究極の状況下で、リーダーとして何を行うか。
行動する勇気を養うため、また壁に当たった時に自信を取り戻すきっかけとして、いつも側に置いておきたい1冊。
巨像も踊る ルイス・V・ガースナー著
崩壊寸前だったIBMを見事に復活させたガースナー氏。
歴史と伝統を誇る、官僚体質の巨大企業をいかにマネジメントしたのか。
わずか数年で業績を回復させた経営手法を含め、改革の経緯と経営哲学の一部始終が語られている1冊。
単なる自叙伝で終わらないところが、名著と言われる所以である。
破天荒! ケビン、ジャッキー・フライバーグ著
格安運賃と短距離路線に特化する戦略を貫き、成功を続けるサウスウエスト航空。
その破天荒な企業の歩みと、独特の経営哲学を紹介する1冊。
同社は、利益を徹底的に追求しながらも、職場の明るさを大切にする。
サウスウエスト航空の事例は、MBAのケースで必ず使われるほど、「戦略」「会計」「組織論」等、多方面で学ぶべき点が多い名著。
スターバックス成功物語 ハワード・シュルツ他著
米国シアトルの小さなコーヒー小売店を、世界的な大企業に成長させた、スターバックスのCEOシュルツ氏が、
起業家としての半生を振り返り、同社の成功の軌跡を語った1冊。
品質に対する徹底したこだわり、情熱と真心で結ばれた社員や顧客との絆等、成功の基盤となっている経営哲学について書かれた名著。
思考スピードの経営 ビル・ゲイツ著
「大が小を飲み込む」のではなく、「早いものが遅いものを飲み込む」時代、
どのような組織スタイルを目指すべきかについて書かれてある。
「ビル・ゲイツが考えるナレッジ・マネジメントとはどんなものか」が、一読すればすぐ分かる。
今後のビジネスの変化と、その対処法について教えてくれる1冊。
知識創造企業 野中郁次郎、竹内弘高著
日本が世界に誇れる数少ない経営書。
単なるビジネス書の枠を超えた、奥の深い名著。
事例を挙げながら、企業の競争力の源泉である「知識」の創造プロセスを理論的に説明している。
差別化できる商品開発に悩んでいる人なら、組織・プロセス面で多くのヒントがもらえる。
日本のナレッジマネジメントの最高峰に位置する名著。
失敗の本質 野中郁次郎他著
本来、経営とは関係ない太平洋戦争における日本軍の敗北を、組織論の観点から分析。
決して身近ではない事例でありながら、あまりに見事な分析。
その指摘は、あらゆる組織に当てはまる。
本書は、まぎれもなく、今日の日本企業の組織の本質をあぶり出した、第一級の経営書といえる。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」で描かれた、日露戦争での日本軍と比較すると、気づかされる点が多い。
最強組織の法則 ピーター・M・センゲ著
システム論に基づき、「学習する組織」に必要な5つの条件を記した本。
ビジョンの共有化、チーム学習、システム思考など、企業の組織変革の基本が、豊富な事例と共に描かれている。
全米で大ベストセラーになった本だが、リーダーシップのあり方も考えさせられ、学ぶべきことが多い名著。
日本の競争戦略 M・E・ポーター、竹内弘高著
日本的経営の問題点を論じた本は多いが、戦略の第一人者による本書は、ロジック構成、実証的アプローチの完成度において卓越している。
日本の国際競争力の源泉はどこにあるのか?
それは、これからのグローバルな時代に通用するものなのか?これらの問いに、深い洞察を与えてくれる名著。
日本企業が再び勝者になるための打開策を模索している人には、ぜひ読んでもらいたい1冊。
競争の戦略 M・E・ポーター著
戦略論の古典といえるポーターの代表作。
業界の5つの競争要因を示し、自社に有利なポジショニングを解き明かすと同時に、競争要因に対処するための3つの基本戦略についても解説している。
このフレームワークを知らないで経営するのは自殺行為に近いほどの、基本中の基本の1冊。
後述する「イノベーションのジレンマ」は、5つの競争要因の中の「代替品」について深化させた理論といえる。
従って、この本のフレームワークを知らなければ、真の理解はできない。
姉妹編の「競争優位の戦略」では、3つの基本戦略を実践するための具体的手法を解説している。
イノベーションのジレンマ クレイトン・クリステンセン著
優秀な人材が集まるトップ企業が、正しいことを行えば行うほど失敗するのはなぜか?
過去の成功体験が足かせになり、市場の主導権を失ってしまう。
この誰もが陥るジレンマの構造を解明した歴史的な名著。
イノベーションについて書かれた本はたくさんあるが、「なぜイノベーションが起きないのか」を解明したのはこの本だけ。
解決策をもっと知りたい人は、続編の「イノベーションへの解」がおススメ。
戦略サファリ ヘンリー・ミンツバーグ著
著者は、欧米では実績・知名度においてポーターと並ぶ、経営学の世界的権威の1人。
本書を読むと、日本の戦略論が、ポーターをいかに偏重しているかがよく分かる。
20世紀の戦略マネジメントの集大成とも言うべき1冊であり、21世紀の戦略論も展望している古典的名著。
ブルーオーシャン戦略 W・チャン・キム、レネ・モボルニュ著
誰でも名前は聞いたことがあるくらい有名な本だが、新しい戦略を考えたい人にとってはバイブルだと思う。
「競争のない市場を見つける」ためには、「減らす」「付け加える」「増やす」「取り除く」の4つのアクションが必要であり、そのやり方についての事例をたくさん載せている。
「競争のない市場をどうすれば創出できるか」について書かれた画期的な本。
コトラーのマーケティング・マネジメント フィリップ・コトラー著
競争地位別の戦略について、基本的な理論を体系化している古典的名著。
マーケティング界を先導するコトラーが、渾身の思いで書いたマーケティングの指南書。
「そもそも論」に戻ってモノを考える時には、いまだに座右の書である。
「この本に書いてある通りにすれば、必ず道は開ける」と言えるくらい、何度も読み返し実践してみるべき名著。
現代の経営 P・F・ドラッガー著
「マネジメントの父」と言われるドラッガーは、96年の生涯で約50冊の著書を残しているが、
マネジメントの機能について書かれたこの本は、氏の3大古典の1つと称される。
経営の全体像と、原理原則を知る上で必須の1冊。経営で「最も重要な判断をする時」の拠り所となる。
経営者の条件 P・F・ドラッガー著
ドラッガーの3大古典の1つ。
「知識労働者が成果を上げるためにはどうすべきか」を、
「時間管理」「貢献」「強み」「集中」「意思決定」の5つの視点から説く古典的名著。
経営者だけでなく、全てのビジネスパーソンに読んでもらいたい必読書。
特に、士業・コンサルタント等の専門家には、オススメの1冊。
ネクスト・ソサエティ P・F・ドラッガー著
「社会に影響を与えたい」と考えている人には必読書。
「これからどの方向に進むべきか」がよく分かる1冊。
ドラッガーの凄さは、これからの社会で起こることを予言者のように言い当ててしまうこと。
刊行から15年経った今だからこそ、読み返すべき名著。
数あるドラッガーの本の中でも、これだけは読んでおいてほしい。
企業変革力 ジョン・P・コッター著
今日のグローバル競争に打ち勝つには、抜本的な変化に対応させるための、大規模な変革が必要になる。
しかし、実際、戦略転換・M&A・リストラ等の企業改革は、なかなか成功しない。
なぜそうなるのか?
この命題について、多数の失敗事例を分析し、そこから導き出された「8段階の変革プロセス」を紹介する。
組織構造の大規模な変革を考えている経営者にとっては、バイブルとなる名著。
真実の瞬間 ヤン・カールソン著
著者は、史上最年少の航空会社CEOとしてリンネフリュ社を再建し、
その後、赤字のスカンジナビア航空をヨーロッパ最良の航空会社に変身させた。
その時の体験を基に、「顧客本位の企業」に生まれ変わるために行った大胆な改革を紹介している。
サービスのあり方を説いた名著として読み継がれているが、サービス業に限らず、幅広い業種で役立つ1冊。
急に売れ始めるにはワケがある マルコム・グラッドウェル著
膨大な調査によって、ある商品が急に売れたり、メッセージが広がっていく仕組みをフレームワークに落とし込んでいる。
マーケティングに携わっている人はもちろんだが、「自分がやっていることをもっと広げたい」と悩んでいる人にもおススメの1冊。
「どうすればヒット作を作れるか」の口コミのメカニズムが分かる。
一回のお客を一生の顧客にする方法 カール・スウェル、ポール・B・ブラウン著
セールスの古典的名著。
トヨタ生産方式に代表される製造業のシステムを、サービス業に応用した革命的な本。
「一度商品を買ってくれたお客様に、いかに何回も買ってもらうか」について、詳細すぎるほどの具体例が記されている。
全米顧客満足度№1の連続記録を持つカーディーラーの本だが、業種を超えて活用できるノウハウが満載で、どんな職業の人にも、「今なすべきこと」が分かる内容になっている。
神話の法則 クリストファー・ボグラー著
ユング心理学の概念を、映画のシナリオ制作に応用し、ハリウッド映画の根底にある「人を感動させるストーリーの構成パターン」を解析した、シナリオテクニックの世界的ベストセラー。
スターウォーズ・タイタニック等、多数の映画に本書のコンセプトが反映されている。
今後は「分かりやすい映像をどれだけ作りこめるか」が、会社の売上を左右する時代が来る。
その時のためのストーリー作りに役立つだけでなく、プレゼンや企画書の立案でも、物語性を持って自分の主張が伝えられるようになる。
ザ・プロフィット エイドリアン・スライウォッキー著
ビジネスの重要テーマである「利益」について、小説形式で分かりやすく解明する。
23の物語を通して、「利益はどのように生まれるのか」「どうすれば儲かるか」が浮き彫りになっていく。
経営者だけでなく、マーケティングや企画に携わる人であれば、一読をオススメする。
同じ著者による姉妹本の「プロフィットゾーン-経営戦略」もオススメ。
ザ・ゴール エリヤフ・ゴールドラット著
世界で250万分売れたにもかかわらず、17年もの間、日本での出版だけ認められなかった幻の名著。
当時日本にやられっぱなしだった米国のメーカーが、日本に勝つための秘策として書かれた本。
ビジネス小説の形式を取っているので、読みやすいはず。
製造業の生産性を挙げる手法について書かれているが、他業種にも応用できるので、1度は読んでもらいたい1冊。
現場力を鍛える 遠藤功著
「企業の競争力の源泉は、現場力だ」と遠藤氏は言う。
どんなに素晴らしい戦略を立案しても、実行されなければ、絵にかいたモチに過ぎない。
だからこそ、実行力を持つ現場が、競争力の源泉ということになる。
この「現場力」の重要性と、鍛え方について、たくさんの事例をもとに解説する名著。
「色んな戦略を実行しているのに、結果が出ない」と悩んでいる経営者には、オススメの1冊。
戦略プロフェッショナル 三枝匡著
元々は、経営者向けの戦略トレーニングの教材として書かれたもの。
小説形式なので、若いビジネスマンでも、「戦略とはどんなものか」がすぐ理解できる内容になっている。
戦略遂行と続行に不可欠な、組織の関連性がよく分かる。
楽しみながら、戦略の重要事項に気づかされる1冊。
企画書提案書大辞典 高橋憲行著
企画の神様・高橋氏の渾身作。
ビジネスに必要なリソースや組織・財務面のポイント、市場の動向や競合
の把握など、誰もが知りたい項目が1枚のフォーマットにすべて折り込まれている。
さらに、実際の現場で使った様々な企画書の実例がぎっしり載っているので、押さえておくべき個所が一目で分かる。
国語辞典のように、本棚に必ず置いてもらいたい1冊。
企業参謀 大前研一著
企業の頭脳として、戦略方針を策定する企業の参謀グループ。
会社の命運を左右するこの集団に欠かせない「戦略思考力」について説く。
石油危機後の苦難の時代に生み出された思考法は、
時代こそ違え、同じく厳しい環境の下で苦悩する今日のビジネスパーソンに、多くの示唆を与えてくれる。
数多い大前氏の著書の中で、個人的には最高の1冊と思う名著。
考える技術・書く技術 バーバラ・ミント著
論理思考について書かれた本は無数にあるが、深い部分まできちんと身に付けたい人には最高の1冊。
ロジカルシンキングは、ビジネススキルの根底にある基本スキル。
この力を身につけないと、「自分で考える」という経営の本質部分に行き着かない。
論理思考を身に付けたいと思うなら、この本は欠かせない。
戦略シナリオ【思考と技術】 斎藤嘉則著
戦略は立案しただけでは機能しない。
組織を動かすためには、ある共通する戦略エンジンが必要になる。
そのエンジンを作るために必要とされる、戦略思考を身につけるための実践的な名著。
論理思考に目覚めたい人に、オススメの1冊。おそらく、世界観が一変するはず。
問題解決プロフェッショナル 斎藤嘉則著
ビジネスの必須スキルである「問題解決力」について、その基本となる考え方を分かりやすく解説している。
「ゼロベース」「仮説思考」「MECE」「ロジックツリー」等、2つの思考と2つの技術を駆使した思考プロセスは、
どんな場面、どんな立場の人にも役立つ。
35版以上を重ねた、問題解決力のロングセラー。
ブレーン・ステアリング ケビン・P・コイン著
ブレーン・ステアリングとは、「正しい質問」を導き出し、正しいシステムを踏むことで、思考をより生産的な方向に導く手法のこと。
マッキンゼーが200社以上のクライアントに実践し、成果を上げてきた手法。
人の心理を基に開発されたこの画期的な実践法を、事例を挙げて解説する。
この本で紹介される、「3つの正しい質問」を知るだけでも、大きく業績が変わるはず。
問題解決やアイデアの発想で悩んでいる人にオススメの1冊。
インテグレーティブ・シンキング ロジャー・マーティン著
ロジカルシンキングの重要性を説く本は多いが、デメリットとして、物事を単純化するため、ありがちな結論になってしまうことが多い。
そこで、著者は、相反する2つの考えを対比して、二者択一を避け、創造的な解決策を導き出す思考法を提示する。
優れたリーダーの実例を数多く紹介しながら、「矛盾や対立から、どうすれば斬新な解決策を見つけられるか」を説く名著。
論理思考を超える考え方が身につく。
意思決定のマネジメント 長瀬勝彦著
人はなぜ意思決定を誤るのか?
マネジメントの根幹である「意志決定」の問題を、最新の研究結果を踏まえながら、重要なバイアスについて解説する。
どんなに経営を学んでも、「個別の意思決定において、どの選択肢を選ぶべきか」は教えてくれない。
人の意思決定は、様々なバイアスを帯びている。
それを知っておくだけで、大きな間違いを犯すことがなくなる。経営者にはぜひ読んでもらいたい1冊。
人間この信じやすきもの T・ギロビッチ著
人間は、思いこみで物事を見てしまう生き物。
一度先入観を持つと、それには逆らえない。
この本には、「いかに自分が、間違った認識で世の中を見ているか」が書いてある。
そのことを理解しているかどうかで、「大きな判断ミスをするかどうか」が決まる。
経営者やリーダーには必読の書といえる。
影響力の武器 ロバート・B・チャルディーニ著
「人はなぜ動かされるのか」について、多くの事例をもとに、具体的な方法を記した名著。
著者は、アメリカを代表する社会心理学者の一人で、科学的な知識に基づいて書かれた本として、専門家の間でも高く評価されている。
人間心理における「承認」のメカニズムを知ることで、人に影響力を与える方法が分かる。
第1感 マルコム・グラッドウェル著
人間の判断は、実は、経験や思考によるのではなく、潜在意識から来る直感やひらめきで行われている。
この本は、日常生活やビジネスで起こる様々な事例から、潜在意識が持つ大きな力を解明している。
また、それだけでなく、「どうすれば潜在意識を訓練でき、無意識による判断力を磨くことができるか」の方法を教えてくれる。
「何となくそう思う」力を、極限まで磨くことの重要性がよく分かる1冊。
「戦略課題」解決21のルール 伊藤良二著
企業が直面する様々な経営戦略上の課題。
それらを解決するには、何が必要か。
マッキンゼー出身で、現在は慶応義塾大学等で教鞭をとる著者が、戦略上の課題を見極め、解決を図るための秘策を明かす。
「課題の本質に迫る」「あるべき姿にこだわる」等、解決の肝について、実例を交えて解説する名著。
新装版 アイデアのヒント ジャック・フォスター著
ひらめきにはコツがある。
米国の広告業界でいくつもの広告賞を受賞した著者が、誰でもできる「アイデアの作り方」を紹介する。
アイデアマンは、特別な才能を持っているのではなく、アイデアの引き寄せ方を知っているに過ぎない。
その方法について分かりやすく解説した1冊。
指導者の条件 松下幸之助著
指導者のあるべき姿とはどんなものか。
松下氏が、古今東西の優れた指導者の事例を挙げて、
指導者に必要なものの考え方、姿勢、行動などを、102のテーマで記した古典的名著。
創刊以来40年以上に渡り、リーダー・経営者を目指す人に、永く読み継がれている1冊。
まず、ルールを破れ マーカス・バッキンガム著
優れたマネジャーは、どんな考え方に基づいて行動するのか。
世界中の傑出したマネジャー8万人にインタビュー調査した結果を基に、彼らに共通する考え方・行動を解説している。
「部下の弱みを直そうとせず、強みを活かす」「部下を選ぶポイントは、経験や知識でなく才能」等、実践的な内容に溢れる名著。
マネジャーの実像 ヘンリー・ミンツバーグ著
著者は、世界で最も影響力のある経営学者の1人。
ビジネスの世界では、リーダーシップがもてはやされているが、
「実は、リーダーシップはマネジメントの一部であり、まずはマネジメントを理解すべき」だと、彼は言う。
本書では、その考えに基づき、様々なタイプのマネジャーの仕事ぶりを観察。
そこから導き出した「マネジメントのあるべき姿」を記した名著。
同じ著者による「マネジャーの仕事」も、名著として有名。
なぜリーダーは「失敗」を認められないのか リチャード・S・テドロー著
人は、自分に都合の悪いものは、認めようとしない。
例えば、自社の市場シェアが低下しても、「一時的な現象だ」として、その事実を否認する。
しかし、こうした態度は、最終的には、ほぼ確実に破滅に繋がる。
こう述べる著者が、否認が原因で破滅の危機に陥った有名企業の事例を分析し、否認を避け、現実に向き合うための「8つの教訓」を導き出す。クリステンセンも絶賛した名著。
それでも人生にイエスという V・E・フランクル著
第2次大戦中、ナチスの強制収容所で地獄のような体験をした著者が、
終戦翌年の1946年にウィーンで行った講演会をまとめたもの。
人間にとって極限ともいえる収容所において、人の尊厳を失わず生きる希望を捨てなかった人たち。
彼らはなぜ心が折れなかったのか?生きる意味を見失いそうな人に、大きな気づきを与えてくれる名著。
無いから出来る 石川洋著
明治21年、大阪に生まれた大石順教尼は、17歳の時に気のふれた養父により、両腕を切断される。
その後、巡業芸人を経て出家、日本初の身障者厚生施設を設立。
身障者の自立のために尽力を尽くした。
おそらく、この本を読んで衝撃を受けない人はいないはず。
私は数日間、頭を鈍器で殴られたようなショックを受けた。
「真に目覚めた人は、与えられて知る恵みより、捨てて知った恵みに感謝する」この言葉に、順教尼の不退転の力の源がある。
定期的に読むと、自分の器の小ささが確認できる名著。
逆境を超えてゆく者へ 新渡戸稲造著
「武士道」の著者として知られる新渡戸稲造の名著、「修養」「自警」の2冊を再編集した1冊。
困難をいかに克服すべきか、そのためにはどんな修養をすべきか。
100年前の書にも関わらず、その教えは今も色褪せない。
苦難の中を前に進もうとする人に、勇気を与えてくれる古典的名著。
「逆境」の乗り越え方だけでなく、「順境」が人を不幸にする5つの危険について書いてある点も見逃せない。
愛すること、生きること M・スコット・ペック著
ニューヨークタイムズのベストセラーリストに、13年連続でランクインした古典的名著。
人は成長するために何をすれば良いのか、その道を心理療法家が紹介する。
問題の連続といえる人生を生き抜くための「訓練」、その訓練のエネルギーとなる「愛」について、豊富な事例を交えて解説する。
恋・依存症・自己犠牲とは違う、本当の愛について、目から鱗が落ちる1冊。
人生の究極の目標は「個人の精神的成長」であり、それは1人でしか登れない孤独な旅。
「結婚や社会生活の目的は、そうした個人の旅を支えることにある」という文章を読んだ時の感動は忘れられない。
まだ読んでない人は、ぜひ読んでほしい名著。
禅_壁を破る知恵 有馬賴底著
逆境に直面した時、人はどう考え、いかなる行動を取るべきか。
臨済宗管長が、逆境において方向を示してくれる禅の教えを、自らの体験を交えて綴った名著。
「逆境と順境は別々でなく、1つのもの」等、人生の壁を破るためのヒントが満載。
個人的には、「引き算の考え方」に大きな衝撃を受けた。
それでもなお、人を愛しなさい ケント・M・キース著
マザー・テレサも感動した世界最高の処世訓。
あなたが、新しい事業を立ち上げたり、企画を出した場合、それが価値のあるものなら、当然受け入れてもらえると思うかもしれない。
しかし、実際にはそうならない。
周りから後ろ指をさされたり、猛反対を受けるなど、様々な障害にぶつかる。
しかもその障害は、自分の努力や改善で乗り越えられるものではない。
そんな理不尽な障害に立ち向かうための道しるべとなる。
トンネラーの法則 ロム・ブラフマン著
心理学では、「自分の環境を乗り越えられる人はほとんどいない」というのが通説だった。
しかし、そんな障害を、トンネルをくぐるようにスルリと通り抜ける、「トンネラー」と呼ばれる人々がいる。
彼らは、普通の人とどこが違うのか?心理学者である著者が、事例を基に、彼らの強さの秘密を解き明かす。
この本に出てくる「心のスポットライト」「サテライト」という考え方には思わずうなってしまった。
心の休ませ方 加藤諦三著
人はしばしば、何もかもが嫌になり、生きることに疲れてしまうことがある。
本書では、そんな心理状態になる原因を分かりやすく解説。
生きることに疲れた状態を、
生き方を見つめ直すチャンスと捉え、考え方を変えてエネルギーを取り戻す方法を伝授する。
刊行以来、多くの悩める人を励まし続けているロングセラー。
大河の一滴 五木寛之著
「人間性を信じ、前向きに生きる」のは悪いことではない。
しかし、人間の存在そのものを「悪」と見て、そこから出発する生き方もあるのではないか。
そう語る著者は、プラス思考で頑張ることに疲れた、そんな人々に向け、親鸞の教えを基に、人間の生き方について語る。
多数ある氏の作品の中で、最も大きな影響を受けた1冊。
アー・ユー・ハッピー? 矢沢永吉著
オーストラリア事件で側近に30億円を横領され、離婚を経験。
しかし、彼はその30億円の借金を返済し、新たに自分のスタジオを作る。
成り上がった10年後に、苦難を乗り越えた先で気づいた、本当の幸せについて書いてある。
ノウハウさえ身に着けたら、トラブルなく人生が過ごせるなんて幻想に過ぎない。
大切なのは、目の前の障害をどう乗り越えるか。
この本は、「順風満帆の成功などない」ことを教えてくれる。
自助論 スマイルズ著
1858年の発行以来、世界数十ヵ国の人々に希望の光を与えてきた古典的名著。
書かれているのは基本的なことだが、決して当たり前のことではない。
一度読んで分からなかったことでも、5年後、10年後に読み返すと、「ああ、このことだったのか」と気づくはず。
「自己啓発本に書いてあることの大半は、この本の内容を、違う言葉で説明しているだけ」と思えるくらい、完成度が高い。
道をひらく 松下幸之助著
「経営の神様」松下幸之助が、自身の体験と人生を振り返り、深い洞察力のもとに書かれた古典的名著。
発刊から50年経っても、その内容は全く色褪せない。
短編の随筆集の形をとっているが、その根底に流れるのは、「謙虚さと素直さ」を持ち続けることの重要性。
何度読んでも、いつ読んでも、新しい気づきを感じさせてくれる、まさに人生の指南書と言える1冊。
素直な心になるために 松下幸之助著
戦後、日本人は、物質的な豊かさを手に入れたが、その一方で、自己の利益のために他人を無視し、争うなど、心が豊かになったとは言えない。
松下氏は、その原因は「素直な心の欠如にある」と指摘する。
幸せな人生を送る上で欠かせない「素直な心」とは、どのようなものか。
そして、いかにして養えば良いか。
その答えを、氏独特の優しい口調で教えてくれる1冊。
フランクリン自伝 ベンジャミン・フランクリン著
フランクリンといえば、「独立宣言の起草に関わった人」という印象しか持たない人が多いが、実は、哲学者・発明家・政治家・科学者・文学者など、どの分野でも第一人者として活躍した偉人。
そのため、18世紀アメリカのダ・ヴィンチと称される。
貧しい家庭に生まれながらも、印刷業者として成功していく中で、有名な「13の徳目」を身につけていく。
立身出世のバイブルとして、自伝文学の古典と言われる名作。
人を動かす D・カーネギー著
人間関係に関する研究の先駆者、カーネギーの代表作にして古典的名著。
創刊から80年以上経った今でも、世界中で売れ続けている。
人との衝突を避け、思い通りに人を動かす。
そのための原則を、事例を交え、分かりやすく説いている。
対人関係で悩みを持つ人には、オススメの1冊。
凡事徹底 鍵山秀三郎著
微差の積み重ねが大差となる。
イエローハットの創業者である著者が、平凡なことをやり続けることの大切さを説く。
自転車での行商から始めて、同社を大きく成長させた氏が、創業以来続けているのが、会社とその周辺の「掃除」。
掃除のように平凡なことをおろそかにせず、徹底して行うことこそが、非凡な力を生む。
何度読んでも、そのたびに初心に帰らされる、バイブル的な名著。
フィンチの嘴 ジョナサン・ワイナ―著
ガラパゴス諸島に生息するフィンチという鳥の嘴を、20年にわたり計測してきた研究者は、驚くべき事実を発見する。
鳥たちは気候の変化に対応して、いまも嘴の長さが変化していた。
「進化」は過去の出来事だと思いがちだが、そうではないということが全編を通して伝わってくる。
「人や企業が、外部環境の変化に対してどう適応していくべきか」が学べる名著。
ウォール街のランダム・ウォーカー バートン・マルキール著
刊行後45年を経て、いまだに読み継がれている個人投資家向けの名著。
投資の本というと「必ず儲かる」的な本が多いが、この本は「ファンダメンタルズやテクニカル分析はそんなに儲からない」話がたくさん紹介されており、内容が偏っていない。
リスクとリターンの関係を科学的に説明した内容で、投資の真理についてきちんと解説している。
「投資は、これを読まずにやってはいけない」と言える古典的名著。
人生の目的 五木寛之著
人生の目的は、「自分の人生の目的を探すこと」である。そのためには、生き続けなければならない。
五木氏は、この本の中でそう言っている。
「人は何のために生きるのか」という、誰もが一度は考えたことがあるだろう究極の問いに対して、深い洞察の下に記した1冊。
氏はこの本の中で、「人間には無限の可能性がある、というのは嘘だ」と言っているが、その意味を感じ取ってほしい。
まだ読んでない人には、一読をオススメする。
はじめの一歩を踏み出そう マイケル・E・ガーバー著
米国の起業家たちに最も影響を与え続けているバイブル的な1冊。
経営コンサルティングとして20年以上、2000社に及ぶ企業にアドバイスしてきた著者が、今まで日本に無かった、スモールビジネス版「金のなる木」の作り方を紹介している。
経営者が、本物の経営者に脱皮するための参考書として、一読をオススメする。
すべては「単純に!」でうまくいく ローター・J・ザイヴァート、ヴィルナー・ティキ・キュステンマッハー著
「日常生活をシンプルにすれば、それだけで幸せになれる」と、その方法を紹介している。
内容は簡単で、すぐやれることばかり。
自己啓発のノウハウ本のエッセンスを網羅しているので、そうした本をたくさん持っている人は、かなり整理できるはず。
モノ・カネ・自分をシンプルにすることで、ストレスが消え、人生が楽になるということがよく分かる1冊。