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起業家は何を勉強すればよいのか?~その2~

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最近は、会計の本が売れています。
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」「なぜ社長のベンツは4ドアなのか?」
といった、会計的な考え方や会計のやり方について、身近な事例を取り上げた本です。
おそらくこれは、ビジネスに携わる人々が、「数字に強くなりたい」という欲求をもつようになってきたからだと思います。

けれど、この「数字に強い」というのがクセモノです。
あなたは、「数字に強い」ってどういうことか分かりますか?

起業を志す人の質問で多いのが、「数字に強くなりたいが、何を勉強すればよいか分からない」というものです。
そして、その気持ちが本気であればあるほど、本人が真面目であればあるほど、「簿記」を学ぼうとします。

結論を先に言います。
「簿記」ができるということと、「数字に強い」ということは全く関係ありません。
逆に、簿記を学ぶことによって、ますます数字ギライになってしまうといっても過言ではありません。

私も銀行員時代は、無理やり簿記の検定試験を受けさせられました。
元々、数字は苦手でしたので、頭をかかえながら勉強して、やっと合格しました。
その結果はというと・・・銀行の仕事には全く役に立ちませんでした。

簿記とは、数字を「作る」ために必要な道具であって、銀行員に必要とされる、数字を「読む」能力とは別物だからです。

私の勤めていた銀行でもよくありましたが、中小企業の経理担当として、銀行OBをスカウトするというケースです。
先方の社長にすれば、「経理のエキスパート」という印象があるのかもしれませんが、スカウトされてから「話が違う」というトラブルになったケースを何度も目にしました。

なぜって答えは簡単です。
ほとんどの銀行員は、「自分で決算書を作った経験がない」からです。
融資のため、決算書を「読む」ことはありますし、数字を「分析」する能力も長けてます。
けれど、数字を「作る」プロではないのです。

数字を「作る」プロは、税理士・会計士や経理マンであって、その人達に必要な知識が「簿記」なのです。

では、経営者であるあなたに、数字を「作る」技術が必要ですか?

「自社の決算書だけは、何としてでも自分の手で作りたい」と考える奇特な人でない限り、数字を作る技術は必要ないはずです。
確かに、一円を大切にする経理感覚は大事ですが、それよりも、大きなお金に対する経営感覚のほうが何倍も大切なはずです。

私は、銀行時代からすでに、数字を「作る」技術も、ある程度はもっていました。
その上、数字を「読む」能力、「分析する」技術にも自信がありました。
自分では、これで鬼に金棒と天狗になり、自信満々で起業したのですが、現実はまったく違いました。
こうした能力は、実際の経営や、ましてや企業再生というドラスティックな職人芸には何の役にも立たなかったのです。

では、何が足りなかったのか?

それは、数字を「使う」テクニックを修得していなかったからです。

「数字に強い」とは、数字を「使えるかどうか」と同義語です。
そして、経営者にとって最も大切なのは、この「数字を使う」技術をマスターすることなのです。

長くなりましたので、続きは次回に譲ります。

■ あとがき

いやぁ~、めっきり寒くなりましたね。カゼなどひいてませんか?

私はというと、カゼをひく暇もないほど仕事に追われています。
なぜかって?
この時期の一大イベント「源泉徴収」と「年末調整」が原因です。

ホント、いつもこの時期は、事務所で寝泊りです。
寝袋に入って、ミノ虫のような生活してますw

それにしても、なんで日本は、未だに「源泉徴収」なんて時代錯誤な制度が続いてるんでしょうね。
こんなことやってる国なんて、世界中でも数えるくらいしかないのに。

元々、源泉徴収制度は、第二次世界大戦中のナチスドイツの制度を参考にして、戦費調達の目的で作られたものです。
国の手をわずらわすことなく、効率的に税金を吸い上げる制度なわけです。

でも、考えてみれば、こんなことやってるから、サラリーマンはいつまでたっても税金の計算プロセスが分からないんですよね。
毎月、自動的に給料から天引きされるわけですから、税金の勉強なんかしなくても、大勢に影響ありませんもん。
これでは、勉強しろって言うほうに無理があるというもんです。

これをうまくカモフラージュするのが「年末調整」。
天引きされた給料は年末調整で清算されるのですが、税法上で認められたものに関してはお金が返ってきます。

銀行の時も、よく上司が「今回は○万円戻ってきた」といって喜んでましたが、考えてみれば当たり前のこと。
余分に徴収されたお金を返してもらっただけのことですから。
これじゃ、8千円の買い物をして1万円札を渡して、「2千円のお釣りが戻ってきた!」と喜んでるのと同じですw

ホント、これじゃいつまでたっても、数字に興味を持つことなんてできませんよねぇ~。

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