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起業家は何を勉強すればよいのか?~その3~

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「数字が苦手」と思っている人の話を聞くと、ほとんどの人が、「数字に強い」イコール「経理的な能力が高い」と考えています。
何度も言うようですが、「数字に強い」とは、決して簿記的処理能力が高いことではありません。
そんなカン違いをしているから、社員に数字に強くなるための研修を行うと、まるで「経理マン養成講座」のような的外れのことを行ってしまうのです。

経営に関する数字の勉強とは、次の3つに分類されます。

1. 数字を「作る」

これは、数字を計算して決算書を作る勉強です。
この作業には、必ず簿記が必要となります。

2. 数字を「読む」

これは、決算書や数字が表わしているものが何なのか、を読み取るための勉強です。
自分で数字を作るのではなく、誰かが作ってくれた数字を読むことのできる能力です。

3. 数字を「使う」

これは、数字を読んだのち、その数字を「分析」し、分析した数値に基づいて、今後の方針や改善策を数字で「判断」する勉強です。
つまり、「読む」のが基本とすると、その応用編ともいえます。

この中で、「数字に強い」人とは、3番目の「数字を使う」ことができる人のことを指します。
数字が使えるようになると、「どんな決算書であれば融資をしてもらえるのか」「どこを改善すれば儲かるのか」といったことが、一目で分かるようになります。

では、起業家であるあなたは、まず「数字を使う」勉強を始めればよいのでしょうか?

それは違います。まず始めるべきは、「数字を読む」勉強からです。
いきなり、応用編である「数字を使う」勉強を始めたとしても、内容がピンとこないばかりか、面白くなくて途中で挫折してしまうからです。

人が何かを学ぶ場合に、最も大切なことは、その学習に興味と好奇心がもてるかどうかです。
それさえ持つことができれば、あとは自分で勝手に勉強するからです。

とにかくまずは、作れなくてもいいから、「読める」ようになる。
これが、すべての経営者にとって、まず最初にやるべきことです。

数字が読めるようになると、あなたは、これまでと違った世界を見ることができるようになります。
今までは、単なる数字の羅列にしか過ぎなかった決算書が、まるで小説を読むかのごとくに、その会社で働く従業員や商品の流れ、お金が入ってくるプロセスといった、会社を構成する全ての要素がハッキリと見てとれるようになります。
「この会社は利益が出ているが、本当にそうだろうか?」と、まるで推理小説の謎解きのようなワクワク感で、決算書を眺めることが可能になります。

一度この能力が身につくと、数字を見るのが楽しくてしょうがなくなります。
他の人が気づかない真実を指摘して、「何でそんなことが分かるんだ!?」とビックリされるのって、なんだかワクワクしません?

けれど、ここにも一つ、大きな壁があります。

それについては、また次回ということでw


■ あとがき

「今期の利益は2千万くらいになりそうなんですが、節税すべきか内部留保すべきか、どちらがいいんでしょう?」

先日、相談に来られた社長さんの質問です。

会社の状況によって答えはまちまちですが、まず最初に考えることは、「銀行の返済があるかどうか」
そして、「今後、借入の予定があるかどうか」です。

なければ、バンバン節税して下さい。
けど、ほとんどの中小企業は、何かしら銀行のお世話にならざるを得ません。(ここがツライところですね)

銀行が融資判断をする場合、減価償却費と税引き後利益を足したものを返済原資と考えます。(これをキャッシュフローといいます)

私が銀行にいた頃は、これに社長の給料もプラスして考えてくれました。
今もそう考えてくれるみたいですけど、昔と大きく違うのは、それはあくまで補助的な考え方だということ。
つまり、「キャッシュフローだけじゃ無理だから、社長の給料も加味しようか」という、いってみれば敗者復活戦のような意味合いです。
銀行の担当者が、「そこまで無理して融資することもないか・・・」と考えたら、そこでおしまいです。

どんなに節税したいといっても、絶対に「赤字」にはしないで下さいね。
決算書の赤字は、銀行の融資にとって、これ以上ないくらいのマイナスポイントですから。
気軽に、「税金払いたくないから・・・」なんて赤字にしたら、後で取り返しのつかないことになりますよ。

じゃあ、どこまで節税すれば大丈夫なのか?

これも一概には言えませんが、だいたいの目安を言うと・・・。

設備資金の借入がある場合は、最低でも、年間返済額以上の利益は出しておいて下さい。
減価償却費が借入返済額と同程度で、それでギリギリ黒字だったらセーフという感じです。

「それじゃ、運転資金の返済はどうなるんだ!?」と思ったあなた。
そのとおりです・・・運転資金は返せませんw
でも、中小企業の決算書なんてそんなもんですよ。
銀行員は、そんな決算書なんてイヤというほど見てきてますので、こう考えます。
「どうせ途中で、また、運転資金貸して下さいって頼みにくるんだろうな」

そう、最初から、運転資金を利益返済できるなんて思ってませんからw

ただし、だからと言って、つなぎの運転資金が必ず借りられるわけじゃありませんよ。
銀行員がつなぎ融資の稟議書を書きやすい「資料」を提出してあげないと。

それが腕の見せどころでもあるんですけどねw

ということで、眠くなってきたので、もう寝ます。(もちろん寝袋ですがw)
今日も一日忙しかったなぁ・・・おやすみなさい。

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